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オフィシャルインタビュー

文/蜂須賀ちなみ

メジャーデビュー

――メジャーデビュー決定、おめでとうございます。

 

一同 ありがとうございます!

 

――10月30日の大阪でのライブでメジャーデビューを発表したんですよね。当日は緊張しましたか?

 

しおん(Dr) いい意味でそこまで緊張せず、リラックスしていたと思います。

かやゆー(Gt/Vo)ただ、アンコールで映像を流して発表したんですけど、一度袖に捌けた時には少しそわそわしたというか、ワクワクして。

――ゴンザレスさんがニュース読みをする映像を流して発表したんですよね。

 

ゴンザレス(Gt)最初は普通に発表しようと思っていたんですけど、かやゆーから「ニュース番組のようなVTRを作ったら面白いんじゃない?」という提案があって。ヤングスキニーはSNSではちょっとふざけたこともやっているバンドだから、「メジャーデビューの発表をそういう感じでやってもいいかもね」という話になって、あの動画を作ったんです。

メジャーデビュー発表の瞬間に放映された映像

――メジャーデビューまであと2ヶ月。今の心境はいかがですか?

 

りょうと(Ba)やっぱり嬉しいですね。僕自身めちゃくちゃテンションが上がってます(表情を崩さず、落ち着いた声色で)。

 

かやゆー そのトーンで言われても、喜んでるように聞こえないんだけど(笑)。

 

りょうと いや、嬉しいなって思ってるよ(笑)。

 

――そもそもみなさん、メジャーデビューに対する思い入れは強かったんでしょうか?

 

しおん バンドとしてメジャーデビューを目標に活動してきたわけではないんですけど、僕個人としては思い入れが強い方で、加入当初からスタッフさんに「いつメジャーデビューできるんですか?」と何回も聞いていました。僕は元々ライブキッズで、いろいろなバンドを追っていたから「メジャーデビューは第一関門」というイメージがあったんです。マカロニえんぴつさんがYouTubeの配信ライブでメジャーデビューを発表した時も、リアルタイムで観ていたし。だからヤングスキニーのメジャーデビューが決まった時はすごく嬉しかったです。それと同時に、「もっと頑張らないと」「浮かれていられないな」という気持ちになって。

 

ゴンザレス 確かに。改めて気持ちが引き締まった感じはありますね。

 

かやゆー メジャーデビューするからといって、何かが大きく変わるということはないんですよ。僕らは自分の好きな音楽を正直にやっているだけで、それはこれからもずっと変わらなくて。

 

しおん そうだね。これからもいつも通り、自分たちがその時にできる最大限のことをライブや曲で表現していけたらと思います。

 

――メジャーデビューに至った一つの要因として「曲が多くの人に届いたから」というのがあると思いますが、なぜヤングスキニーの音楽は今いるリスナーにちゃんと届いたんだと思いますか?

 

かやゆー 今流行りやすい音楽性だったというのはもちろんあると思いますし、SNSの使い方も時代に合っていたんじゃないかと思います。今ふと思ったんですけど、僕、バンドのメンバーを募集し始めた時、焦っていた気がするんですよ。

 

――焦っていた?

 

かやゆー はい。僕がバンドを組む少し前の時期くらいから、マカロニえんぴつがどんどん人気になっていったんですよ。僕もそういう音楽が好きで、だからこそ作る曲も今のような感じになっていったんですけど、バンドを組みたいなら早くしないと、同じような系統のバンドがどんどん出てきちゃうんじゃないかと、当時は焦っていたような気がします。最初は軽音サークルの中でメンバーを探そうと思ったんですけど、いい人が見つからず、それでも時間はどんどん過ぎていっちゃうから、SNSで必死に探して。

 

――そうして結成されたのがヤングスキニーだったと。

 

かやゆー 僕にとっては趣味のようなもので、「ちょっと注目されたいな」という気持ちはありつつも、正直「このバンドで売れたい」とまでは思っていなかったんです。だから、初心者でもいいから「一緒に音楽をやりたいな」と思えるメンバーを集めて、バンドを組んで、その時々でやりたいことを直感で選んで……そうしているうちに、メジャーデビューのお話をいただいたという感じなんですよね。

インディーズラストシングル「好きじゃないよ」

――だからこそ「これからもやることは変わらない」とまっすぐに言えるのかもしれないですね。

そして12月7日にインディーズラストシングル「好きじゃないよ」が配信リリースされました。今年10月に行われた東名阪ツアー「保証はないけどあなたを幸せにできる気がするワンマンツアー」でも披露していた曲ですね。

 

かやゆー はい。「本当はね、」と同じ週か、同じ日にできた曲ですね。僕、Mr.Childrenが好きなんですけど、ある日ミスチルの曲のコードを弾いていたら、自分なりのメロディと詞が浮かんできて。そこから膨らませていって、今の形になりました。冬らしい曲なので、人肌恋しくなるこの季節にぜひ聴いてほしいです。

 

――「好きじゃないよ」というタイトルが絶妙ですよね。字面通りの意味ではなく、まだ相手のことを忘れられないからこそ、自分に言い聞かせている言葉として「好きじゃないよ」と言っている。

 

かやゆー 仮タイトルの時から「好きじゃないよ」でした。サビでこの言葉が出てくるわけでもなく、Cメロの最後にようやく回収されるんですけど、それが逆にいいですよね。歌詞は女性目線なんですけど、女性目線の曲を書く時って、2パターンあるんです。1つは、自分が女性に対して思う「こんなふうに思ってくれていたらいいな」ということを書くパターンで、もう1つは、僕自身が思っていることを女性目線に置き換えて書くパターン。例えば「本当はね、」は前者なんですけど、今回は後者なので、歌詞への思い入れが特に強いです。

 

――お三方はかやゆーさんからこの曲を受け取った時、どう感じましたか?

 

しおん 「本当はね、」と同じく、弾き語りのデモの時点でビビッときました。

 

りょうと 僕も最初に聴いた時にすごく感動して、デモ音源を普段の生活の中で聴いていたくらいで。

 

ゴンザレス 僕もめちゃめちゃいい曲だと思いました。だからこそ「早くバンドで編曲したいな」と思いましたし、こうして世に出せることが嬉しいですね。

 

しおん 歌詞に関しては、女性目線だけど、男性でも女性でも共感できる内容になっているんじゃないかと思います。僕自身にとってもナチュラルに「そうだよな」と思うような歌詞で……多分それは、さっき話していたように、かやゆーくん自身が思っていることも歌詞に書かれているからなのかな。

 

ゴンザレス 僕はいつも通り、そもそも恋愛経験がないから共感したくてもできない感じで。だから僕にとってこの歌詞は非現実的なんですけど、リアリティがあるということは何となく分かるんですよね。

 

りょうと 曲を聴いた時に、素直に情景が浮かぶような歌詞というか。

ゴンザレス そうそう。実体験かどうかは分からないけど、想像だけで書いた歌詞ではないんだろうなって伝わってきました。

 

――ゴンザレスさんは「自分もこんな恋してみたいな」と思いますか? それとも、「いや、ちょっとキツそうだから勘弁してほしいな」と思いますか?

 

ゴンザレス うーん、ちょっとキツいですね。僕はやらないかなって思います。

 

かやゆー いや、「僕はやらない」とか、そういうことじゃないんだよ。

 

しおん そうそう。みんな最初はそう思うんだよ。

 

かやゆー だけど、別れてから初めて気づくこともあるというか……。

 

ゴンザレス え、何なに? 深い話? ちょっとやめてよ(笑)。

 

――好き好んでこの状況になる人なんていませんからね。

 

しおん (ゴンザレスは)1回別れて、復縁してみたらいいんじゃない?(笑) そしたら共感できると思う。

 

ゴンザレス そうなんだ。そう考えるとやっぱり「キツいな」って思いますけど、そういう気持ちで街中を歩いてみたいなという憧れはありますね。

 

しおん それはズルい!

 

ゴンザレス でも、それが音楽のいいところですよ! 経験してなくても、曲を聴けば経験したような気持ちになれるという。

 

――確かにその通りだし、予想外にいい話にまとまりましたね(笑)。

 

一同 (笑)

――アレンジについても伺いたいのですが、ヤングスキニーの曲にストリングスが入るのは今回が初めてですね。ストリングスの編曲は山下洋介さんによるものですが、みなさんから何かオーダーはしましたか?

 

ゴンザレス 僕が打ち込みで「こんな感じで作ってほしいです」というデモを作って、それをお渡ししました。Cメロはストリングスの動きがちょっと特殊なんですけど、そこは特にこだわりましたね。

 

かやゆー 1年くらい前から「ストリングスを入れた曲を作りたいよね」という話をしていたので、念願の初挑戦なんですよ。完成した音源を聴いた時も「すごい!」って感動して。

 

ゴンザレス レコーディングも見させてもらったんですけど、ストリングス部隊のみなさん、ヒーローみたいだったんですよ。颯爽と入ってこられて、バッと弾いて……多分、1時間もかかってないと思います。僕らの何倍ものスピードで全ての仕事を終わらせて、「ありがとうございました!」って帰っていく姿がカッコよすぎて、唖然としましたね。

 

――バンドのアレンジはどのように考えていきましたか?

 

りょうと ベースはほとんどルートなんですけど、個性を出すというよりも支える側にまわった感じで。歌詞やメロディがいいのでボーカルを殺さないように、あとはストリングスが映えるように、しっかり弾こうと思いました。

 

ゴンザレス ギターは、ストリングスとの駆け引きが難しかったですね。ストリングスとギターは音域が近いので、ストリングスが動く部分ではギターが後手に回って、逆にストリングスがなだらかに弾いている時はギターが前に出て。バランスを意識して作りました。

 

しおん ストリングスがいる分、バンドも今まで通りだとごちゃごちゃしちゃうので、「シンプルに、だけど聴かせたいところは聴かせられるように」と各々考えながらフレーズを作っていたと思います。ドラムに関しては、「バラードでこんなことするんだ!」という感じのフィルインを3ヶ所くらい入れていて。僕としてはバンド感を出したかったというか、普通のバラードのまま終わらせたくないなと思ったんです。

 

かやゆー 俺はそれを聴いて、最初は「ドラムだけ浮いてない?」「ちょっと嫌だな」と思ったんですよ。だけどストリングスが入ったことで、かえってプラスになった気がしていて。

 

しおん うんうん。ストリングスの方々が盛り上げてくれたおかげで、いい感じにまとまったんじゃないかと思っています。

 

――あと、イントロでピアノとギターが同じフレーズを弾いているのが印象的でした。ピアノだけでも成立するのに、あえてギターを重ねるという。

 

かやゆー そこはレコーディング当日に決まったところですね。元々ピアノだけのつもりだったんですけど、ギターを入れたバージョンを試してみたところ、「こっちの方がバンドらしくていいな」ということで今の形に落ち着いて。やっぱりインディーズ最後の曲ですし、「現時点での僕らの集大成を見せられたら」という気持ちもあったので、自分たち以外の楽器に頼りすぎてしまって、「ヤングスキニーっぽくないね」と思われてしまうのは避けたいなと。ストリングスがなくても成立するくらい、バンド感をしっかり出していきたいなという気持ちはありました。

 

――歌録りはいかがでしたか? 感情の盛り上がりが感じられて、いいテイクだなと思いました。

 

かやゆー ありがとうございます。バラードは音程が少しでもズレると気になっちゃうから、特に集中して歌わなきゃいけないし、そもそも難しい歌だし、事前に考えていたハモりも思ったより上手くハマらなくて……レコーディングは今までで一番難航しました。正直コンディションも万全ではなかったんですけど、その分、気持ちはめっちゃ入れられましたね。当日にいろいろと試行錯誤した結果、自分でも納得のできる歌を録れました。

ヤングスキニーからファンの皆様へメッセージ

――最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。

 

かやゆー 最初に言った通り、僕らが考えること、やりたいことはメジャーに行っても変わらないし、ファンの方にもそれが伝わったら嬉しいです。前にライブで「あなたを救うために今日ここに来て歌っています」と言ったことがあるんですけど、あの時はちょっと背伸びしていたなと今になって思います。「誰かのためになっているなら嬉しいな」という気持ちは確かにあるけど、僕らにとってそれは一番ではなく、自分の好きな音楽を正直にやることがあくまで大事。「これからもずっと変わらない」ということは僕らが心から思っているいことであって、綺麗事を言っているわけではないということは、みんなに伝わってほしいです。

 

りょうと ヤングスキニーの音楽をずっと聴いてくれている、今いるファンのみんなには感謝していると今改めて伝えさせてください。これからも応援してもらえると嬉しいです。

 

ゴンザレス これからもかやゆーの書く楽曲の良さを最大限引き出せるように、また、曲を出すごとにその良さのレベルを1段階ずつ上げられるように、制作を頑張っていきます。今後のリリースを楽しみにしてもらえたら嬉しいです。

 

しおん 2023年4月にツアーがあるので、ぜひ観に来てほしいです。最近、ライブで自分たちのありのままの姿を見せられている気がするんですよ。

 

かやゆー うん。この2年でやっと自分たちらしさを見つけられたし、それがいい方向に転がっていて。

 

しおん この2年でかなり変わったので、前に(ライブに)来たことがある人にも新しい一面を見せられるようなライブパフォーマンスができていると思います。今のヤングスキニーをぜひ観に来てください!

12月になり、冷え込みが強くなっても、せめてあなたの繊細な心は厳しい寒さに曝されないように。ヤングスキニーからこの冬届けられたのは、過去の恋と新しい恋の狭間に落ち、孤独でいる女性目線の歌だ。写真を消しても、指輪を捨てても、「好きじゃないよ」と口にしても、あなたは私の心からいなくなってくれない。語尾を絞るようなかやゆーのボーカルが切ないが、サウンドからは寄り添ってくれているような温かさが感じられる。バンド初の試みとしてストリングスを取り入れたバラードは、要所にあるロックなアプローチにも注目。

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